KS-Ⅱは6V電装です。
レギュレーターを12V用に換えると12V化はできるのですが、12Vバッテリーを積めるスペースがないのと、ヘッドライトに交流を使う単相半波整流(ググってくださいな)の発電機を単相全波整流用(こちらもググりましょう)に改造しないといけないため、とりあえずウィンカー球やメーターインジケーター球のLED交換による省電力化に挑戦して、最後に交流点灯のヘッドライトとテールライト、メーター照明の直流化と12V化をセットで行いたいと思います。
その前に
道の駅(作手手作り村)まで往復50㎞、トップケースを含めたツーリング用のフル装備でテスト走行。
リアはとりあえず雨具ぐらいです。タンクバッグにはBMWの車載工具とツーリングマップル。
KSRのフェンダーは結構いい線いってます。2種マークをマジックで手描きしたんですが失敗。
標準でヘルメットホルダーがついているので助かります。
面白いことに後ろについた車は、この後姿を見てスクーターと間違えるのか必ず追い越そうとするのですが、KS-Ⅱの加速についてこれずびっくりするようです。
後ろについたニンジャ400が抜いていったのは、煙たかったからでしょうねー。 昔1台だけ2ストが混じってツーリングしたときも最後尾に回されていましたっけ。
キャリアは背中でトップケースが押されると、リアフレームごとしなっているようです。最大積載量は5㎏ぐらいか?(純正キャリア本体はたった1㎏だけどステーの追加で少しアップ)
まあ、壊れたら壊れた時ということで。
で、帰宅後3年ぶりぐらいの電子工作開始。
今日の予定はウィンカーのLED化に必要な、メーター内のインジケーターの改造です。
どういうことかというと、ほとんどのバイクのインジケーターは車のように左右別々につくわけではなく、1個で左右共用していますが、これがウィンカーのLED化を阻む最大の難関となるのです。
というのはウィンカーをLEDに換えた場合、ウィンカーリレーをLED用に交換しないとLED球の使用電力と釣り合わずハイフラッシャーになるのはたいていの人はご存知だと思いますが、ことバイクの場合、もしリレーを交換しただけだと左右どちらにスイッチを入れてもLED球が4個とも点滅してしまいハザード状態になってしまうのです。
なぜでしょうか?
これはウィンカーのおおざっぱな回路図ですが、たとえば右ウィンカーを出す場合、バッテリーのプラスから流れた電気は矢印のように右ウィンカーで消費されて、さらにインジケーターを点灯させて左ウィンカーの回路をアースとしてバッテリーへ戻るのです。(左右ウィンカーはそれぞれ回路として完結してるため、インジケーター球がなくてもウィンカーはちゃんとつきます。また乗用車では左右それぞれの回路に独立したインジケーター(前後に加えて3個目のウィンカー球と考えましょう)を持つためインジケーター球をいじらずともウィンカー球とリレーを換えればLED化できます。)
つまりバイクの場合スペースの問題もあるでしょうが、たった1個のインジケーターをけちるためにこんな回路になっているのですね。
左ウィンカーを出した場合は上の図と完全な対称方向に電気が流れます。
ではなぜ電気が来ているのに通常は反対側のウィンカーがつかないのでしょう。
(左がR100RSの純正品。右がLED対応品。20AまでOKなので電球でも使えますしLEDと電球を混ぜてもOK。つまりツーリング中LED球が壊れてもホームセンターで買える普通の電球を混ぜて使えるのです。また点滅回数はW数に影響されず80回/分に固定されています。)
上のウィンカーリレーを見ると「21WX2+0-5W」と書かれていますが、これは回路に21Wのウィンカー球2個分と5Wまでのインジケーターを足した分の消費電力以上が流れないように調整されていて、上の図だとインジケーターを点灯させた時点で左ウィンカーを点滅させる電力が残っていないのです。
ところがウィンカーを消費電力が極端に少ないLED球に交換すると、インジケーターを抜けて反対側へ行った電流で反対側のLED球が点灯してしまうのです。
またこの回路だと右を出したら右から左に、左を出したら左から右へと、両方向に電気が流れるため、どちらか一方向にしか電気が流れないLEDをインジケーターに使うと、右か左かどちらかでしかインジケーターが点滅しません。
でどうするかというと
電流を一方向にしか通さない整流用ダイオードを2個回路に追加して、上の図のように電気が反対側に流れないようにしてしまえばいいわけです。
あとこの回路にすることで一方向にしか電気が流れないLEDをインジケーターに使えるようになります。
(とネットで中途半端な知識を取得しました。間違ってはいないと思いますが…。)
で実践。
メーターを外して
ターンシグナルインジケーターのソケットを抜きます。
T10ソケットの3W球です。
おっとその前にインジケーターもLEDにしましょう。これはLED用の各種ソケットです。
今回は定格20mAのLEDに対して定電流ダイオードCRD153を使って15mAで電流制御します。
これはLEDが1個につき3Vほどの電圧耐性しかないため、通常は2,3個LEDを直列につないだうえ不足分の抵抗を入れて電圧が12Vあるいは6Vになるよう回路を組むのですが、それだと6Vの球は12Vでは壊れてしまい使えませんし、逆に12Vの球を6Vで使おうとすると電圧不足でつかなくなります。
そこで大活躍するのが定電流ダイオードです。値段が高いため(1個100円ぐらい)通常市販のLED球は抵抗で済ましますが。
これをLEDの入力側に直列につなぐと電圧に関係なく一定の電流しか流さなくなるため、6V-12V化しても電球はそのまま使えるのです。
(電気は素人ですので明らかな間違い以外は突っ込まないでくださいねー)
これが定電流ダイオード。ガラス製ですぐに割れるため取扱注意。黒いラインのあるほうがアース側ですのでそちらにLEDのプラス側の脚をはんだ付けします。ですので右側が電源側となります。
ソケットに入れる前に制御装置の壊れた充電器で20V流してみました。点灯色は黄色です。
これがインジケーター1個分の部品です。総額500円ぐらい?(10年ぐらい前のですので記憶が…どれも100個単位で購入)
右から20mAの砲弾型10mm黄色LED、CRD153定電流ダイオード(電圧に関係なく15mAしか流しません)、T10ソケット、整流用ダイオード(線があるほうがマイナス側。1方向にしか電気を通しません)2個。
多少見栄えは悪いですが定格15mAのLED電球完成。6Vで使う場合6X0.15X1/100ですので消費電力は0.09Wになります。ソケットの中に定電流ダイオードが入ってます。
ソケットの下で灰色(ウィンカー右電源線)と緑(ウィンカー左電源線)の2本のコードをぶった切ります。
LEDには極性があるので今回は灰色をプラス側として固定します。ですので緑線にアース線(今回黄色線を使用)を増設します。
写真を忘れましたが上の回路図のように、整流用ダイオード2個を向きに注意して、ぶった切った車体側の灰色線と緑線に1個ずつはんだ付けし、アース側を1個にまとめてLEDのプラス側になるソケットの灰色線にはんだ付けしときます。
車体側ハーネスのウィンカー線。灰色が右ウィンカー電源線、緑が左ウィンカー電源線。
左から緑線と灰色線が来てダイオード2個を介して右から灰色線1本に合流。
20Vでてる充電器のマイナス側にアース線をつなぎ、コネクター内の緑線と灰色線それぞれのピンに電気を流してテスト。
どちらも無事点灯。つまりウィンカーをどちらに出してもインジケーターは問題なくつくわけです。ハザード状態になるかどうかは車体に搭載しないとわかりませんので明日に。
灰色線側の熱収縮チューブの中にダイオード2個が入ってます。(こちらがプラス側となります。)
緑線はマイナス側となるので車体にアースさせます。
完成です。
あとは車体につけてアース線を車体のどこかに締め付ければ6V電装でのLED化の事前準備は完了。
とりあえず8W球のまま使ってみます。
それで問題なければいよいよウィンカー球をLEDに交換します。